【コラム】助けてくれという市場の絶叫=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.19 08:03
昨年9月、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は茫然自失した。一時的だと思われた雇用不振が前月に続いて現れたためだった。8月の就業者増加規模は3000人。7月の5000人増加より悪化した。雇用惨事だった。「7月の就業者増加は極度に振るわなかったが一時的現象と思われた。翌月には反騰すると考えたがそうでなかった。明確な理由を探すことはできなかった」(韓国銀行関係者)。
普段20万件以上が容易に生じていた雇用が突然1万件前後に落ち込んだのは韓国経済のミステリーだ。ただ無理な最低賃金引き上げを主軸とする韓国政府の所得主導成長が問題を起こしたという点は否定しがたい。多くの主流経済学者が所得主導成長が市場をゆがめて雇用状況を厳しくさせたという批判に加勢したのもこうした認識のためとみられる。
もちろん所得主導成長に対する叱責が過度だという反論もある。そのうちのひとつは過去の政権でさまざまな危機を扱った元長官の分析だ。「世界11番目の規模の経済がいくつかの政府政策で成長率が下落し企業の意欲が折れたというのは話にならない。ほとんど諸葛孔明が来てもできないことだ。いまの批判は下り坂で転ぶ直前なのに後から手を当てられたとして『おまえが押し倒したんだろう!』というのと同じだ」。