手綱のない嫌悪社会、大韓民国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2019.02.18 08:18
昨年11月13日、ソウル舎堂洞(サダンドン)の梨水(イス)駅近くのある飲み屋。男3人と女2人の間で「チッチッポッポ(性的少数者の侮蔑する表現)」 「メガルX(フェミニズムサイト『メガリア』ユーザーの嘲弄する言葉)」などの嫌悪発言が行き来した。言い争いは取っ組み合いにつながった。警察は5人を暴力・侮辱などの容疑で検察に送検した。「梨水駅事件」は嫌悪が、そして嫌悪に対する嫌悪が暴行という物理的衝突に広がった代表的な事例だ。
嫌悪が大韓民国を蝕んでいる。高齢化や多文化家庭の増加、性的少数者の権益拡大、女性の社会参加の増加が鮮明になった21世紀に「一緒に」ではなく反目と対立・排斥の嫌悪が社会の隅々に隠れている。嫌悪が嫌悪を生み、「極嫌(極度に嫌悪)」まで横行している。
国家人権委員会は今月12日、「韓国社会が嫌悪表現を自助浄化できる能力を喪失した」とし「嫌悪・差別対応特別推進委員会」を設置すると明らかにした。放送通信審議委員会によると、ポータルサイトに是正を要求した差別・侮辱表現は2014年705件から昨年2352件に急増した。