【時視各角】ひとまず怒ってみる青瓦台の危機管理
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.01 07:10
疲れが襲う午後、事務室。あるサラリーマンが袋からチョコレートを取り出して一口かじりつく。瞬間、机に血がしたたり落ちる。びっくりして見るとチョコレートでなくオランウータンの指だ。グローバル食品企業ネスレを狙ってグリーンピースが作成した動画だ。オランウータンの棲息地であるインドネシア熱帯雨林を破壊するパームオイルの製造業者との取り引きを非難する内容だ。
ネスレは怒りをあらわにした。インドネシアの輸入パーム油が多いわけでもないのに…。裁判所で仮処分申請を受けて動画を削除した。結果は? 火の粉だけが手のほどこしようもなく飛び散った。消費者が問題の動画を数多くのブログやコミュニティサイトに掲載した。ネスレは一歩遅れてパーム油の輸入中断を発表するなど収拾に出たが、すでにブランドに深刻な打撃を受けた後だった。企業危機管理の失敗事例として必ず登場する2010年「ネスレキットカット(チョコレートの名前)事件」だ。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の娘ダヘ氏の海外移住疑惑が大きくなると、青瓦台(チョンワデ、大統領府)がいきり立った。暴露した郭尚道(クァク・サンド)議員の資料収集の不法性を問題にして責任を問うと言った。過去の政権の「陰湿な査察の影」まで持ち出した。キム・テウ前特別監察班員とシン・ジェミン前企画財政部事務官のときとそれほど違わない反応パターンだ。そのときも暴露者を「どじょう」「狭い視野」と非難することに集中した。疑惑の核心部分に対しては「不法・脱法はない」という言葉以外には格別な説明がない。