【中央時評】神になろうとしている韓国政府(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.01.18 10:54
メディアは現実を「ありのまま」を映す鏡ではない。社会的事件と現象の中に含まれたファクト(fact・事実)と価値に迫り、包容と排斥、修正と変形を経て大衆が実体を判断するように枠(フレーム)を提示する。ジャーナリズムでは「実在の社会的再構成(social construction of reality)」という。新聞と放送は各自理念と指向する方向に従って、さまざまなフレームを描き出すことができる。それがメディアの多様性だ。
所得主導成長を評価する見解は進歩でも保守でも報道機関ごとに違うのが正常だ。共に豊かに暮らそうという社会主義的理想から見れば肯定的だ。だが、理念にこだわる中途半端な推進とみすぼらしい実績に注目すれば失望フレームが妥当だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先日、「否定的に報道する経済失敗フレームが強力に作動している」と述べてフレーム論争を起こした。最低賃金を勢いよく引き上げて国民の所得・消費増加と雇用創出で好循環させようとする取り組みを、一部が「失敗誇張フレーム」でゆがめているという認識が根底にある。ある者は「保守理念同盟の汚染された報道」と話してこれを助長した。ならば2008年BSE(牛海綿状脳症)波動をあおった「狂牛フレーム」は今何というのか訊ねたい。