【コラム】不幸の兆候、そして呪われた国=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.12.28 07:23
英国のロマン主義の詩人ウィリアム・ブレイクは産業革命が残して行った荒廃した現実を苦痛の中で過ごした。ブレイクは幼児労働に動員された幼い煙突清掃夫の涙が堕落した教会に恐ろしい事態をもたらすのを見たし、若い売春婦の呪いが結婚式の馬車を霊柩車にするのを見た。「会う人ごとに」「悲嘆の痕跡」を見たブレイクは誰より「兆候」をよく読み取る詩人だった。人々はそれを「予言」と呼んだが、兆候は予言ではなく「前兆」だ。ブレイクは「純粋の前兆」という詩で「飼い主の家の門の前で餓死した犬がその国の滅亡を予告する」と書いた。最近フランスで行われている黄色いチョッキのデモは深刻な貧富格差と不平等がどのように一国家の亀裂をもたらすようになるのかをよく見せている兆候だ。南欧州と北アフリカの多くの国家が新たな「チョッキ」の出現を恐れているのは、自分たちの内部にすでに出ている不幸の兆しを見ているためだ。
最近泰安(テアン)火力発電所でコンベヤーベルトに挟まって体が分離して亡くなったある非正規職の青年労働者の恐ろしい事故はそれ自体が韓国社会の深刻で不安な兆候だ。この事件には韓国社会が持つ多様な矛盾が重層的に重なっている。非正規職の問題は言うまでもなく、経済大国の覆いの下に隠された獣のような労働現場、費用削減を目的に成り立つ数多くの違法行為、人間よりも利潤を重視する浅はかな資本、ただ生計のためだけに死の恐怖に自身の体をさらさなければならない数多くの労働者の現実がこの事故の中にそのまま溶け込んでいる。