南北首脳が９・１９平壌（ピョンヤン）会談の時に合意した「東西海線鉄道・道路連結および現代化」着工式が２６日午前、開城（ケソン）板門（パンムン）駅で開かれた。だが、着工式以降、実際の工事が行われるためには北朝鮮への制裁のさらなる免除措置が必要で、着工式を行っても工事の着手は難しい状況が当分続くものと見られる。

キム・ユンヒョク鉄道省次官はこの日、着工社で「統一の警笛音・奇跡音が力強く鳴り響くその日に向けて覚悟を高め、威風と逆風に揺れることなく真っすぐ進むべき時」と主張した。彼は「南北鉄道・道路事業の成果は全ての同胞の精神力・意志にかかっており、他人の顔色を伺ってふらついてはいつまでも民族が望む統一への熱望を実現することができない」として「鉄道・道路協力の動力も民族の内部にあり、前進速度もわが民族の意志とタイムテーブルにかかっている」と明らかにした。

共に民主党の李海チャン（イ・ヘチャン）代表は昼食で「鉄道が早急につながり、（時速）１２０キロ程度で走ることができる鉄道を作り出すことが重要だろう」と話した。李代表は「雑草が生い茂っている姿を見て心が本当に痛かった」として「一日も早くその方々（開城工業団地の企業）がここに来て活発にビジネスをできるように政府側でも取り組み、党でも積極的に努力していく」と話した。チュ・スンヨン国会副議長も「開城工業団地が満３年前に（稼動）中断されたことを今日になってみると心が痛い」と話した。

金賢美（キム・ヒョンミ）国土交通部長官は祝辞で「（鉄道・道路連結から得られる）経済的利益は南と北が共に享受することになるだろう」としながら「分断で対立する時代はわれわれの世代で終わらせるべきだ」と強調した。ただ、金長官は着工式後、韓国側の単独午餐会で「鉄道・道路が本格的に着工されるにはより詳しい調査・設計過程が必要だ」とし「そのような過程をよく経て国際的な雰囲気がつくられれば、実質的な着工と竣工に進むことができる」と明らかにした。「国際的雰囲気」は国際社会の「同意」の意味と見られる。

南北の鉄道着工式は２０００年と２００２年に続き、今回が３回目だ。２０００年には着工式直後工事が中断され、２００２年には韓国と北朝鮮がそれぞれ１２キロの鉄道をめぐり物理的に連結する事業を進めた。今回は京義（キョンウィ）線と東海（トンヘ）線を北朝鮮地域の鉄道と連結し、今後シベリア横断列車（ＴＳＲ）と中国横断鉄道（ＴＣＲ）を利用して大陸に進出するプロジェクトだ。政府当局者は「着工式を通じて南北首脳の合意を履行し、文在寅（ムン・ジェイン）政府の韓半島（朝鮮半島）新経済構想の実現に足を踏み出した」と評価した。

だが、南北鉄道・道路連結工事は米朝非核化交渉の進展により左右されるものとみられる。韓国交通研究院のアン・ビョンミン上席研究委員は「北朝鮮地域の鉄道・道路は非常に老朽化しており、現代化のためには枕木とレール、信号と通信用装備を送る必要がある」として「これらはいずれも制裁対象で、国際社会、特に北朝鮮と米国の交渉結果により工事の速度が決定されるだろう」と話した。

◆李善勧（リ・ソングォン）氏「韓国側方々のように帽子を脱ごう」＝この日、着工式で韓国側の主賓を迎えた北朝鮮側要人は李善勧祖国平和統一委員長だ。約２０分間行われた南北の主賓１２人の非公開歓談も彼が主導した。李委員長は金賢美長官に「天気が寒いのになぜ帽子をかぶってこなかったか」と尋ね、「韓国側の方々がかぶっていないのに私たちもかぶらないのが礼儀」としてパン・ガンス民族経済協力委員長など北朝鮮側一行５人に毛帽子を脱ごうといって皆が脱いだという。ペク・テヒョン統一部報道官によると、李委員長は「今日参加した方々は南北鉄道を連結することを後押ししなければならない」という趣旨の発言をしたが、その後公開された行事場所では言葉を控えた。

李善勧氏は９月、平壌首脳会談当時、玉流館（オクリュグァン）で韓国側財界トップに「冷麺がのどに通りますか」と話して論議を呼んだ。着工式参加者は「李委員長は冷麺発言に対する韓国側の雰囲気を意識したためか、公開された行事ではほとんど沈黙で一貫した」と話した。