【時視各角】韓米同盟を心配させる「マティス長官の退場」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.25 14:50
20日に辞表を出したジェームズ・マティス米国防長官。彼はトランプ大統領に対抗して何度も韓国をかばった韓米同盟の隠れた守護者だ。彼は北核危機がピークだった昨年12月、トランプ大統領が在韓米軍の家族を避難させようとすると、全力でこれを阻止した。北朝鮮が北朝鮮爆撃の前兆と見なして何をするか分からないという理由からだ。
同年9月、トランプ大統領が韓米自由貿易協定(FTA)を破棄すると主張すると、ホワイトハウスの参謀は直ちに国防総省のマティス長官にSOSを送った。トランプ大統領を説得できる唯一の参謀が彼だったからだ。ホワイトハウスに駆けつけたマティス長官はあらゆる理由を説明しながら韓米FTAを破棄してはいけないと力説した。しかしトランプ大統領は「韓国に高高度防衛ミサイル(THAAD)体系を配備するのになぜ米国が10億ドルも使うのか」とさらに興奮した。マティス長官は「韓国を支援するのが我々を助けることになる」と説明し、危機を乗り越えた。同盟の重要性を誰よりよく知る人物がマティス長官だ。彼がトランプ大統領に送った辞任の手紙も「同盟の重要性を忘れてはいけない」というのが核心のメッセージだった。
そのマティス長官が退く。同盟を古い靴のように捨てるトランプ大統領を阻止する最後の砦がなくなるのだ。その間、トランプ大統領は何度も同盟を破棄すると公言してきた。7月には欧州同盟国に「国防費を増やさなければNATOから離脱する」と主張した。在韓米軍の撤収が直ちに決定しても驚くことではないほどだ。