【社説】底のない瓶に水を注ぐ所得主導成長=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.11.24 11:58
所得は職場で生じる。「所得は労働の結果」ということだ。誰もが知っている。ところが文在寅(ムン・ジェイン)政権の「所得主導成長」は反対に進んでいる。あたかも馬の前に馬車を置いて「走れ」というような姿だ。果たして馬車は動くだろうか。この政策が現政権に入ってから1年6カ月間にわたり強行され、民生が危機を迎えている。最大の被害者は、この政策で雇用を創出し、家計の所得を増やすとして対象にしていた低所得層であることが表れている。
所得主導成長政策がすでに行き詰まっているというのは新しいニュースでない。問題は、この政府の政策実験が国民の税金を浪費し、脆弱階層の職場をなくしてしまうだけでなく貧困の沼に追い込んでいる点だ。統計庁が先日発表した7-9月期の家計消費動向がその現実をそのまま見せている。所得下位20%世帯は福祉手当などが増え、政府から支援される金額が労働で稼ぐ金額を大きく上回っている。とんでもないことだ。最低賃金の急激な引き上げで雇用が減り、所得が減少すれば、莫大な財政を注ぎ込んでも貧困層の所得は減る。底が抜けた瓶に水を注ぐような政策になっているのだ。