正恩氏、重大決定時に実兄・金正哲氏と協議
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.25 07:12
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンチョル)国務委員長が、妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長および実兄の金正哲(キム・ジョンチョル)氏と、南北問題や米朝交渉などの主要懸案をいつも協議していると複数の情報関係者が23日(現地時間)、伝えた。この関係者らは「金委員長が本当に重要な問題は3兄弟姉妹間の議論を経て決めているものと把握している」とし「直接、金委員長の口を通じてそのような事実が知らされたわけではないが、彼らが円満な関係の中で話を交わしているという情報が確認されたと承知している」と述べた。関係者らは「だが(3兄弟姉妹の協議過程で)正哲氏が諮問する役割の範囲と水準はそれほど大きくなさそうだ」とし「それでも兄弟が集まって重要事案を議論すること自体、金委員長が実兄(正哲氏)を尊重して自分側にとどめておこうとする努力の一環と解釈することができる」と付け加えた。正哲氏は金正日(キム・ジョンイル)前国防委員長(総書記)と20年間余り一緒に暮らした在日同胞出身の高容姫(コ・ヨンヒ)の間に生まれた。昨年2月、マレーシアのクアラルンプール空港で毒殺された金正男(キム・ジョンナム)は金正日と女優出身の成恵琳(ソン・ヘリム)の間に生まれた長男だ。高容姫は正哲氏(長男、37)と正恩氏(次男、34)、与正氏(長女、31)ら2男1女を産んだ。
2011年12月、金正日の死亡で弟である正恩氏が後継指導者として公式就任して以来、正哲氏の現況に関してはほぼ知られていない。国家情報院は朴槿恵(パク・クネ)政府時代だった2016年10月、国会情報委で「正哲氏が弟である金委員長に『本来の役割ができていない私を見守ってくれる大きな愛を施してくださった』という忠誠誓約を送った」とし「正哲氏は権力から徹底的に疎外されたまま監視を受けながら生活している」と明らかにしたことがある。情報関係者の伝言から見る時、北朝鮮が非核化交渉のテーブルに出てくる際に、南北間で特に積極的な姿勢にシフトした背景には、3兄弟姉妹の共感があった公算が大きい。米朝交渉の重大な峠を迎えるたびに、すべての決定は金正恩委員長の役割に違いないが、このような決断の過程で金委員長が信じて対話できるのは兄弟であり、白頭(ペクトゥ)血統である与正氏と正哲氏だけだという推論も可能だ。