【社説】尋常でない米財務省の対北制裁遵守警告
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.10.13 13:13
韓米関係は本当に問題がないのだろうか。このように問わざるを得ないことが最近続いていて心配だ。先月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の3度目の北朝鮮訪問直後、米財務省が韓国金融圏に連絡し、対北朝鮮制裁の遵守を要請した。対北朝鮮金融制裁を総括する米財務省の関係者らが韓国の金融当局ではなく国策銀行と都市銀行に直接接触し、警告メッセージを送ったのだ。異例のことだ。
時期からして微妙だ。米財務省が産業銀行と国民銀行、農協など韓国の金融機関に電話などを通じてカンファレンスコール(映像または、電話会議)をしたのは先月20日と21日だ。文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言を発表した直後だった。会議の内容も気になる。米国側は韓国の銀行が推進する対北朝鮮関連事業現況を問いただし、「対北朝鮮制裁を違反しないことを願う」という要請とともに「あまり先走ってはいけない」という趣旨の話を何度もしたという。北朝鮮の非核化で可視的な成果がある前に急いで制裁緩和措置を取ってはいけないという注文だ。
文大統領の訪朝前にはポンペオ米国務長官が康京和(カン・ギョンファ)外交長官に電話をかけ、南北軍事合意書の内容について40分間にわたり激しく抗議した。米国が受け入れがたい内容が軍事合意書に盛り込まれたうえ、このような事項を首脳会談の2日前に知らせたことに対する不満の表示だった。そのためか、3日前にトランプ米大統領が述べた「米国の承認なしに韓国は何もできない」という言葉はよりいっそう強く響く。