【時視各角】レーベル10のチャイナショック
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.20 11:15
金東元(キム・ドンウォン)は高麗大経済学科招聘教授だ。通商専門家でもなく、中国についてもよく知らない。その彼が米中貿易戦争に関心を持ったのは4カ月ほど前だ。学生たちに「時事経済」を講義しながら韓国製造業の現実をのぞくことになった。見れば見るほど恐怖を感じた。命在頃刻、生死の瀬戸際であり、大手術をしても助かるかどうか分からないが、未曾有の津波まで押し寄せていた。米中貿易戦争だ。彼は勉強を始めた。津波の実体を把握しなければならなかった。米通商代表部(USTR)から世界貿易機関(WTO)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、人民網、国際貿易院、国内外機関とメディアの報道を隅々まで調べた。統計と資料、数字を探して分析した。そして大きく3つの結論を得た。彼はこの結論を18日、中央グループ中国研究会の講演で紹介した。ちょうどトランプ大統領が中国産輸入品2000億ドル分に追加関税を発表し、戦争のレベルが大きく高まった日だった。
1つ目、この戦争は長く続く。なぜか。単なる貿易紛争ではなく、世界経済の覇権を争う乾坤一擲の戦いであるからだ。トランプ大統領の米国は今でなければ手遅れになると判断し、決着をつけようとしている。手段も多い。強い経済もその一つだ。技術流出の遮断、報復関税はもちろん、通貨戦争も辞さない構えだ。とはいえ中国が白旗を掲げて投降するはずはない。直ちに600億ドルの報復関税で対抗した。しかし力では劣勢だ。長期的に眺めて持ちこたえる方法を探るだろう。非関税障壁、戦略物資輸出制限のような手段だ。英フィナンシャルタイムズは「トランプ大統領の任期とは関係なく米中貿易戦争は今後ニューノーマルになるだろう」という見方を示した。
2つ目、世界経済ゲームのルールが変わる。トランプ大統領はグローバルバリューチェーンを再編しようとする。世界の富を中国が米国より多く確保する姿は容認できないということだ。中国が世界製造業の中心に立ち続けることも望まない。そのために米国人の職場が消え、工業都市が崩壊したと信じている。トランプ大統領のメッセージは簡明だ。中国に投資していては米国に物を売ることができない。米国に工場を建てて米国人を雇用しろ、中国から脱出しろと叫んでいるのだ。中国に最も多くの資金と技術を注ぎ込んだ韓国経済には存在論的な危機といえる。