【コラム】韓国独特の“食べる放送”「モッパン」に規制?(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.08.09 14:28
マルセル・プルーストによる長編小説『失われた時を求めて』の主人公は紅茶に濡らしたマドレーヌ一つで幼い時期の記憶を取り戻す。しかし、食べ物は思い出を呼び覚ます手段だけではない。「あなたが食べるものがあなた」という言葉のように、何を、どのように食べるかが存在を規定する。本当の韓国人になろうと思うと、職場の同僚とチゲを一緒に食べるべきだ。「個人の感情を社会的に統制する文明化の過程で今日、西洋のテーブルマナーができた」(ドイツの社会学者、ノルベルト・エリアス)という分析もある。
このような食べ物文化の歴史で最近、チャプターに載せるべきものが「モッパン(食べる放送)」だ。人が食べる姿を通じて代理満足する、一種の「代理食事」だ。韓国のインターネット放送から始まった。外信も注目する「韓国製文化」だ。最近では「モッパン規制」をめぐって国家主義の論争が起きたりもした。なぜ大韓民国は「モッパン共和国」になったのだろうか。われわれはなぜこのようにモッパンに熱狂するだろうか。いや、われわれは何が「すいた」のだろうか。
「モッパン」は2000年代後半、インターネット1人放送を通じて初めて登場した。海外にも食べ物を素材にした類似したジャンルはあるが「食べる姿をのぞき見する」というコンセプトは初めてだった。今は海外ファンたちも多く、海外のユーチューバーもモッパンをしている。最近ではグーグルのトレンド検索で韓国語の「モッパン」より英語「mukbang」がさらに上位にランクされるほどだ。2016年CNNは、モッパンを「ソーシャルイーティング(social eating)」の一つとして注目した。