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韓経:ソウル大学が反論文書 「日本原発事故でがん急増?…脱核教材は怪談レベル」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.16 09:00
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「弱い放射線でもDNAを傷つけて不妊や奇形児の出産、がんなどを誘発する」(×)

「放射線有効線量100ミリシーベルト以下ではがんなど病気との相関関係はない」(O)

 
ソウル大学原子力政策センターが17日、電子ブック「脱核教材を再考してみること」を出版する。全羅北道(チョルラブクド)教育庁が2015年に製作した補助教材「脱核で描くエネルギーの未来」(以下、脱核教材)に一つ一つ反論する内容が含まれている。「怪談」レベルの教材では青少年に原子力に関する誤った認識を持たせる可能性があるとの懸念からだ。環境運動家の教師らが執筆したこの脱核教材は、昨年10月、国会国政監査の時にも偏向性問題が取り沙汰されたが、現在も全羅北道内のすべての小中校で使用されている。原子力センターは代表的な偽りとして下記の5つを挙げた。

(1)福島乳児の死亡率が増加?

脱核教材には「2011年の福島原発事故以降、がんと白血病による死亡者が増え、乳児死亡率が急増した」と記述されている。原子力政策センターは原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)および国際原子力機関(IAEA)による調査の結果、日本で原発事故以降に放射線にさらされて死亡したり急性疾患を患ったりした人は一人もいないと強調した。

(2)日本全域がセシウムで汚染?

「原発事故後、東京さえも高濃度汚染地域になった。日本国土のほとんどがセシウムで汚染されたというのが専門家の推定」と脱核教材は主張した。これは事実に反するというのがセンターの説明だ。日本政府が事故当時に避難指示を与えた地域は計1150平方キロメートルで、日本全体の0.3%だった。東京は含まれていなかった。今年3月3日基準の東京の放射線量率は0.066ミリシーベルトで、むしろソウル(0.153)の半分以下だ。現在の危険地域は日本全体の0.09%に過ぎない。

(3)弱い放射線でもDNA損傷?

脱核教材は「弱い放射線でもDNAを損傷させて不妊や奇形児の出産、がんなどを誘発する」と強調した。センターは「成人男性の体内には7000ベクレルの放射能があり、年間約0.3ミリシーベルトほど内部被爆する」と説明した。韓国の自然放射線被爆線量も1~3ミリシーベルトに達する。UNSCEARによると、人体に影響を及ぼし始める放射線有効線量は約100ミリシーベルトだ。

(4)原発周辺の人々に甲状腺がんが急増?

脱核教材は「韓国内でも原発周辺住民の甲状腺がんの発病率がその他地域と比べて2~3倍高いという調査結果が発表された」と紹介した。これも科学的根拠が不足しているというのがセンターの説明だ。2016年がん発生地図によると、甲状腺がん発病はむしろ大都市に集中していた。検査率が高いほど発病率が上がるためだ。

2000年国家健康診断のリストに甲状腺がんが含まれるようになって全体発生率は大幅に増加したが、原発周辺の発病率が高いという事実は確認できなかった。センターは「原発の外に放射性気体が流出する量は年間0.25ミリシーベルト」と説明した。

(5)原発は経済的ではない?

脱核教材は「事故のリスクおよび解体費用を欧州並に反映させると、原発は経済的ではない」と主張している。一方、センターは「韓国は事故1件当たりの損害賠償措置額を4700億ウォン(約468億円)、解体費用を6400億ウォンで計算している」とし「先進国より高い水準」と明らかにした。損害賠償措置額は、英国2080億ウォン(以下、今年3月8日の為替レート適用)、フランス1210億ウォン、米国4050億ウォン、ベルギー2350億ウォンなどとなっている。韓国の原発解体費用もフランスやスウェーデンなど(約4000億ウォン)に比べて高く策定されている。

電子ブックの出版に参加したソウル大学原子核工学科のチュ・ハンギュ教授は「国内の原発建設および発電単価競争力は世界最高水準」としながら「感受性が豊かな青少年に誤った情報を伝達すれば国家的後遺症が大きくなるおそれがある」と懸念の色をにじませた。

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