金正恩の怒声が響く経済現場…大改革は遠ざかるのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.11 15:30
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の動きが尋常でない。先月末から中朝国境地域に滞在しながら次から次へと経済現場を訪れている彼は心配そうな表情だ。工場と企業所を訪れる金正恩委員長の怒声も増えた。最高領導者を迎えてどうしてよいのか分からない工場の末端幹部に管理不足を叱責し「馬小屋のようだ」と直撃弾を飛ばした。このような声は国営宣伝メディアでもそのまま伝えられている。朝鮮中央テレビに表れた金委員長の険しい表情は物事がうまく進んでいないという信号だ。米朝首脳会談にもかかわらず中国との国境地域を回りながら自力更正を強調する点も釈然としない。金正恩体制が非核化を越えて体制の生存のための改革・開放に動くだろうという韓国社会の一部の期待が込められた見方とも異なる。
金正恩委員長の中朝国境地域訪問は先月末、韓国情報当局の対北朝鮮監視網を通じて初めて確認された。平安北道新義州(シンウィジュ)一帯の警備と住民統制が強化され、ここに駐留する北朝鮮軍1524部隊などが非常事態を迎えたからだ。金委員長が利用する防弾リムジンと随行員および警護・儀典関係者を乗せた車の移動も把握された。金委員長が最初に訪問したところは鴨緑江(アムノッカン)沿いの薪島郡(シンドグン)だ。緋緞島(ビダンド)とも呼ばれるここは葦が多く、特区開発が推進されたが途中で中断した黄金坪が属する。