「Kビューティー」熱風に刺激された? 北朝鮮化粧品が変身中(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.04 10:17
革命的変化が起きたのは金正恩時代に入ってからだ。軽工業製品の質向上とあわせて外国製を好む「輸入病」打破を強調した金委員長は化粧品を主なターゲットとした。2015年2月に平壌化粧品工場を訪れた金正恩は「外国産マスカラは水に入っても落ちないが、我々のはあくびをしたたけでパンダ目になる」と叱責した。アイメイク製品に防水効果が不足していて、目尻が黒くにじむ現象を指摘したのだ。
目を引いたのは化粧品と関連して金正恩が非常に具体的に問題点を指摘している点だ。これについて夫人の李雪主と妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が後進的な化粧品生産施設と品質に対する女性の不満足を直言できるためではないかと言われている。実状をそのまま伝えていることも異例のことだ。2013年には金正恩と夫人の李雪主が平壌のあるショッピングモールを視察する場面が北朝鮮テレビに公開されたが、韓国ブランド「LANEIGE(ラネージュ)」の看板が確認されたりもした。
北朝鮮の経済事情から考えると、化粧品はぜいたく品に近い。平壌のショッピングセンター、光復通り商業中心では、化粧水や乳液など6品目で構成された「未来」ブランドの化粧品セットが北朝鮮ウォンの36万5100ウォンで販売されている。一般的な労働者の月給(3000ウォン水準)で10年間貯金しなければならないほどの値段だ。1ドル=8000ウォン前後の闇ドル相場で換算しても45ドル(約4967円)水準だ。ドルを手に触れることができる特別な階層でなくては買えない。それでも化粧品の需要は高級輸入品を中心に増加傾向だ。韓国統計庁によると、2009年132万6000ドル(現レートで約1億4640万円)水準だった北朝鮮の化粧品輸入額は2014年に1138万ドルと大きく膨らみ、制裁の真っ最中だった2016年にも990万ドル台を記録した。