【中央時評】国家債務比率増やそうとする韓国政府(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.06.29 14:24
だが、ケインズ式処方は通用する時があり、そうでない時がある。財政を投じたからといって景気が100%盛り返すわけではない。顔面に強烈なパンチを一発食らって倒れた時に応急措置として使うのがケインズ式処方だ。胴体にジャブを無数に食らってグロッキー状態になった後では効果がない。韓国経済はこれに該当する。特に失業は外部の衝撃よりも政策の失敗と構造問題が重なった結果だ。根本的な対策なく財政で一発解決を試みることは無知で危険な発想だ。最近は国家債務の増加そのものが投資と消費を萎縮させて成長を制限するという研究結果が多い。
国家債務は高齢化のせいで黙っていても増えることになっている。韓国の国家債務増加速度はOECD加盟国のうち4番目となっている。2000~2016年の債務増加率は年平均11.6%だった。財政危機に直面していたスペイン(7%)、ギリシャ(4.9%)、イタリア(3.4%)よりも高い。OECDは韓国の純債務が2060年にGDPの200%に肉迫すると警告した。
政府・与党は債務比率を1~2%ポイント高めても耐えられると考えているようだ。GDP比38%ラインから40%台に債務防御線を後退させてもかまわないということだ。1%ポイント退くたびに国の借金が19兆ウォン(約1兆8900億円)増える。国家経済の安全保障に直結した財政健全性に自らアチソンラインを引くわけだ。財政健全性に対する韓国の防御意志を疑う視線が厳しくなるのは必至だ。市場は財政に甘い国家に友好的ではない。信用格付けは下落して海外借入の加算金利が上がる。日本の信用格付けがしばらくボツワナより低かったことも財政赤字のためだった。