【取材日記】庶民のうめき声が聞こえないのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.06.01 16:20
「12年間、一日も休まずショッピングモールをしてきました。職業病になり、指が固まっています。一生懸命にやってきましたが、最悪の売り上げのため昼に他のバイトをしようかと悩んでいます。本当に死にたいと思うこともあります。この1年間、どうやって暮らしてきたのか分かりません。本当に苦しいです」。
5月30日付の中央日報に掲載された「崖っぷちに追い込まれた320万人の小商工人」という記事に対して書き込まれたコメントだ。記事は全国的に創業より廃業する小商工人が多く、その中でもソウル江南(カンナム)地域でこうした現象が深刻だという内容だった。また、アンケート調査で小商工人は最低賃金引き上げと高い賃貸料に最も苦しんでいると明らかにした。チェ・スンジェ小商工人連合会長は「政府は所得主導成長を主張しているが、小商工人は成長に達する前に枯死しそうだと感じている」と伝えた。政治的性向のため両極端に立って相手を非難するコメントが多かったが、ところどころに深刻な不況に苦しむうめき声が感じられた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が問題の深刻性を少しでも認識したのなら幸いだ。29日の家計所得動向点検会議で「我々の経済政策がうまく進んでいるのか虚心坦懐に対話したい」と述べた。しかしそこまでだった。経済コントロールタワーの張夏成(チャン・ハソン)政策室長は最低賃金引き上げが雇用減少に影響を及ぼしていないという結論を出した。所管部処の中小ベンチャー企業部の官僚も取材記者に「今後は分からないが、まだ最低賃金が小商工人を苦しめたわけではないと把握している」と述べた。高い賃貸料問題も政策の失敗による結果という自省はなかった。