<平昌五輪>「北朝鮮応援団、素顔を見せたことがなくパイナップルが好きな20代女性たち」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.05 10:06
先月、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の際、250人余りの北朝鮮応援団が訪韓した。彼女らは江原麟蹄(カンウォン・インジェ)のスピーディウムに留まりながらほぼ毎日のように競技場まで往復2時間以上かかる「遠征応援」をした。応援団が19泊20日間泊まっていたインジェ・スピーディウムでの生活はどうだっただろうか。インジェ・スピーディウムのユン・ジェヨン社長は「女性たちは一度も素顔を見せたことがなく、パイナップルが好きだった」と話した。梨花(イファ)女子大学英文科を卒業してスイスと米国でホテル経営学を勉強したユン代表は、テヨングループのホテル・リゾート部門であるブルーワンの社長だ。自動車サーキットと宿舎のあるインジェ・スピーディウムはブルーワンの事業場だ。
--インジェ・スピーディウムが宿舎として選ばれた背景は。
「建物が完工されたばかりだったし、民家と離れていてセキュリティーに都合がよかったようだ」
--応援団が泊まれば他の営業ができないはずだが。
「江原道民会長を務めた父(テヨングループのユン・セヨン会長)は江原道が三浪の末に2011年南アフリカ・ダーバンで五輪を誘致した時に現場にいた。個人的に最後まで有終の美を飾りたかった。宿舎として最終決定されると、父が『事故が起きればすべてお前の責任だ。インジェに行って直接面倒を見なさい』と話した。25日間スピーディウムで食事からふとんまで面倒を見た」
ユン社長は北朝鮮応援団が留まっていた間、インジェに集中して一日に4時間も寝られなかったと話した。政府はインジェ・スピーディウムが保有したホテル(154室)とコンドミニアム(114室)をまるごと借りて使用した。だが、賃借料は「営業秘密」として公開しなかった。
--北朝鮮応援団に対する感じは。
「応援団女性たちは皆身長が165センチ以上だった。顔も白かった。韓国風の服を着れば北朝鮮の女性か分からなかっただろう。移動の時は常に2列に並んで動いた。ところで、時間が経つと互いに手もつないでわいわい騒いだりした」
ユン社長は食事に最も気を遣ったといった。食事ごとにメニューを違うものにして北朝鮮のお客さんの口に合わせようと努力した。
--何が好きだったか。
「デザートに出したパイナップルが意外にヒットだった。あっという間になくなった。アイスクリームとチョコレートも楽しんだ。甘いものが好きな普通の20代女性で私の娘が思い出した。キムチマリ麺やキムチチゲ、プデチゲ、海産物料理も楽しんだ。お客さんの接待だからといってステーキを出したが、ほとんど口にしなかった。ミディアムウェルで肉汁や血の気があったが、食べにくかったようだ」
--印象にに残るのは。
「250人余りの応援団の素顔を一度も見たことがない。夜明けに入ってきて数時間寝てから起きる場合もあったが、皆が完ぺきに化粧をして登場した。疲れても乱れた姿を見せないように頑張っていたようだ」
応援団はコンドミニアムを宿舎として1部屋に4~6人ずつ使用した。スピーディウム側は応援団が到着する前に部屋に人数に合わせてタオルを備えた。タオルやシャンプー、リンスなどを廊下両側に積んでおいて思う存分使うように案内文も貼っておいたが、ほとんど使わなかったという。シャンプーという言葉に慣れないかと思って脱北者に問い合わせて「頭洗剤」と書いたりもした。
ある日は北朝鮮代表がユン社長を訪ねてきて「感謝の意として従業員のための公演をしたい」と話した。ユン社長は「意外だったが有難かった」として「今回を機に南北間の距離が縮まってほしい。他人よりも早く未来(統一)を準備して見られる機会だった」と感想を伝えた。