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北の万景峰号カード、韓日米の海上制裁連携に亀裂も

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.02.06 07:51
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北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)参加に向けた韓国政府の制裁猶予措置が続いている。

韓国政府は先月、馬息嶺(マシクリョン)スキー場南北共同練習に向かう北朝鮮訪問団のチャーター機使用のため米国の独自制裁上の例外適用を受けたのに続き、6日には北朝鮮三池淵(サムジヨン)管弦楽団本陣が万景峰(マンギョンボン)92号で韓国入りできるよう制裁猶予を検討中だと5日、明らかにした。

 
万景峰92号の韓国入港は政府独自制裁の5・24措置違反だ。韓国政府が2010年の北朝鮮の韓国哨戒艦「天安」爆沈挑発に対して決定した5・24措置は、北朝鮮船舶の韓国海域運航および入港を全面的に禁止している。統一部の白泰鉉(ベク・テヒョン)報道官は5日、「平昌五輪の成功を支援するというレベルで5.24措置の例外措置として検討している」と説明した。

北側は万景峰92号に乗ってくる理由について「江陵(カンヌン)での公演中の宿泊の便宜」を挙げた。しかし芸術団のソウル公演もあり、海路は南北が当初合意した京義線(キョンウィソン)陸路よりはるかに時間が長くかかる。それでもあえて制裁違反に該当する移動手段に固執する点には、韓日米制裁の連携に影響を及ぼそうという意図があるとみられる。政府当局者は「万景峰92号を利用するといえば南側が困惑することを北も知っているはず」と話した。

5・24措置は韓国の独自制裁であり、例外を適用するかどうかは政府の判断にかかっている。しかし北朝鮮の核・ミサイル挑発が繰り返されたことで、各国の独自制裁と国連安全保障理事会決議などはお互い弱点を補完して有機的に絡んでいる。国際社会の対北朝鮮連携というレベルで韓国が独自に決めることができない事案になったのだ。万景峰92号は日本も制裁の対象にしている。

今回の例外措置は北朝鮮に対する海運統制を強化する国際社会の制裁の流れにも逆行する側面がある。韓日米は北朝鮮に寄港した外国船舶の自国入国を短かければ6カ月、長ければ1年まで禁止している。欧州連合(EU)加盟国全体は北朝鮮船の入港を全面禁止した。また昨年12月に採択された安保理決議2397号は、禁止行為に関与したと疑われる船が加盟国の港に入る場合、拿捕・検査・抑留するよう義務づけた。

これに対し政府当局者は「平昌五輪後にはまた制裁が原状復帰する」と説明した。しかし制裁体制に先例を作ったという点で懸念が提起される。峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「今回の例外は国際社会に韓国が制裁の最も弱い部分と認識させ、これは韓米の連携にも影響を与えかねない」と指摘した。

1992年に金日成(キム・イルソン)主席の80回目の誕生日を迎え、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が集めた寄付金40億円で建造された万景峰92号は朝日貿易の象徴だった。日本の制裁が始まるまで朝鮮総連の北送船として人や鉱物を運んだ。

さらに大きな問題は北朝鮮が韓国を試す行為を続ける可能性がある点だ。平昌五輪の北朝鮮高官級代表団を率いる金永南(キム・ヨンナム)北朝鮮最高人民会議常任委員長が高齢や健康を理由に高麗航空での韓国訪問を要求する可能性が提起される。

高麗航空は韓米の制裁対象だ。金永南委員長が制裁対象を利用して韓国入りすることだけでも国際社会でイメージが低下する恐れがある。さらに高齢の金永南委員長が韓国に来て氷点下15度ほどの野外開会式に出席できるのかという健康を心配する声も出ている。

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