【社説】異例の駐韓米国大使内定撤回、米国強行策の信号ではないか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.02.01 10:18
駐韓米国大使に内定していたビクター・チャ氏の突然の落馬は、ドナルド・トランプ政府の北朝鮮政策が強硬方向に向かっているのではないかという危険信号も同然だ。チャ氏が退くことになったのは「鼻血戦略(bloody nose strike)」と韓米自由貿易協定(FTA)をめぐるトランプ政府内の強硬派との異見のためと伝えられている。チャ氏が、全面戦争が起きない範囲で米国が圧倒的な軍事力で北朝鮮に制限的な打撃を加える鼻血戦略に反対したという。チャ氏はトランプ政府がいざという時に使うと圧迫している韓米FTA廃棄カードに対しても否定的な立場を唱えたという。
長期にわたる検証を経た後に、アグレマン(駐在国の任命同意)の承認まで進んだ内定を撤回するのは類例を見ない。それでも終盤に任命を撤回したのは、それだけ鼻血戦略と韓米FTA廃棄に対するトランプ政府の執着が強いという意味だ。
このような本音は先月30日(現地時間)に行われたトランプ大統領の一般教書演説でもそのまま表れていた。外交安保分野でトランプ氏が力説した部分は北核問題だった。トランプ氏は「北朝鮮の無謀な核兵器の追求が米国本土を間もなく脅かすかもしれない」とし「そのようなことがないように最高の圧迫作戦を展開している」とした。同時に「安住と譲歩は単に侵略と挑発を呼び込むだけだ」としながら「過去の政府の失敗を繰り返さない」と念を押した。「戦略的忍耐」で、事実上、北朝鮮の核開発に手をこまぬいていたバラク・オバマ政府とは違い、武力行使も辞さないという意味だ。