【コラム】トランプ大統領にジレンマを抱かせた南北対話
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.13 11:49
9日の南北(韓国・北朝鮮)対話再開に対してトランプ大統領が支持する立場を明らかにしたのは望ましい。平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)をきっかけに板門店(パンムンジョム)で行われた会談の結果は韓半島(朝鮮半島)の安定化に寄与するだろう。ところが北朝鮮に対する圧力が最大限に向かっている局面で進行される南北対話は、トランプ政権にジレンマを抱かせるしかない。こうした状況はトランプ大統領のツイッターにも表れている。トランプ大統領は当初「見守ろう」と懐疑的な反応を見せたが、後に南北対話が五輪以外の事案までも扱うことを望むと表現した。
このようなジレンマが生じる理由は何か。まず、北朝鮮は強まる国際社会の圧力が弱化したり無力化することを望んでいる。北朝鮮が対話の場に出てきたのは、米国が経済制裁を拡大したためとみるトランプ大統領の考えには一理がある。北朝鮮の住民と軍人は飢えをしのごうと危険な木船に乗って遠海に出ている。最近日本海岸で発見された船で北朝鮮の住民が遺体で見つかった。これは北朝鮮が現在直面している現実を象徴している。また昨年末に韓国に亡命した北朝鮮兵士の栄養状態は北朝鮮の食糧不足状況をはっきりと表していた。北朝鮮が南北対話を通じて伝えたいメッセージは、米国が北朝鮮を核武装国家と認め、「破局」と「平和的共存」の一つを選択しなければいけない状況に達したということだ。