【社説】「引き算外交」になってしまった文大統領の訪中、自画自賛する時ではない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.18 10:08
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問が今月16日、重慶日程を最後に終了した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は今回の訪問が高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題で塞がっていた韓中経済交流の突破口を開くために決定的な役割を果たしたと自画自賛の真っ最中だ。だが、注意深く振り返ってみると、今回の訪問は北核解決のような核心懸案で残念な部分が一つや二つで終わらなかった。我々は北朝鮮への原油供給中断のように北朝鮮を強く圧迫して金正恩(キム・ジョンウン)政権を交渉の場に誘い出すことを望んでいたが、期待に大きく及ばなかった。原油供給を中断するという習近平主席の確答を得るどころか、首脳会談でその話さえ取り出せなかったというから開いた口が塞がらない。ここに冷遇の是非や一人飯論争、中国保安要員の取材記者暴行などで韓国の自尊心はこれ以上なく傷つけられた。
このような失敗は青瓦台が自らまねいた側面が大きい。平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を控えて青瓦台は習主席を開幕式に呼び、これを契機に北朝鮮代表も出席させて和解ムードを作ろうとすることに汲々(きゅうきゅう)とする雰囲気だった。北核問題に中国が積極的に取り組むだろうと過信していた印象も消すことができなかった。このため、南京大虐殺80年行事で習主席が北京を空けることを知りながら、青瓦台が文大統領の中国行きを強行したとも言われている。