【時視各角】青瓦台よ、静かになった西海を見よ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.09.19 11:09
ワタリガニの季節だ。今ぐらいの時期になると、西海(ソヘ、黄海)は違法ワタリガニ漁をする中国漁船とこれを取り締まる韓国の海洋警察の戦場に変わっていた。2008年9月、可居島(カゴド)海域で警察官のパク・ギョンジョさんが、中国船員が振り下ろしたシャベルの直撃を受けて海に落ちて亡くなった。中国からの謝罪? なかった。韓国の外交部? 隠した。弱気な態度は相手の傲慢を呼ぶ。3年後の2011年12月。仁川(インチョン)海洋警察のイ・チョンホさんが、メタンフェタミン(別名ヒロポン)まで打っていた中国船員が振り回したガラスの破片にささって命を落とした。昨年11月、逆転劇があった。韓国政府が取り締まりの時にM60機関銃など共用火器を使う「冒険」を選んだのだ。その結果はどうだろうか。ことし上半期、違法侵犯の中国漁船は実に78%も急減した。
中国の違法THAAD(高高度ミサイル防衛)報復が6カ月過ぎた。ロッテは結局3兆ウォン(約2960億円)を溝に捨てて中国のロッテマート事業から撤退することにした。現代・起亜車の販売は半減した。新世界は20年間の中国営業を終わらせて何も残さず撤退した。旅行業界も葬式が続いているかのような沈鬱な表情だ。20兆ウォン、雇用40万件が吹き飛んだ。だが、韓国の外交的対応はせいぜい米国に「中国をちょっと痛めつけてほしい」とお願いする程度だった。中国は微動だにせず、米国はうざがった。その渦中で、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「中国を世界貿易機関(WTO)に提訴しないことにした」として尻尾を下ろした。来月6日にWTOサービス貿易理事会で報復撤回を求めようとしていた計画も再検討するという。「北核問題解決のためには中国との協力が先決」という理由だったという。果たしてそうだろうか。