【噴水台】ごみダイエット
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.22 10:17
1920年代、米国の禁酒令時代、酒を売り買いするのは不法だった。それでも人々はこっそりと酒を飲んでいた。シアトル市民は空になった酒ビンを町のごみ場でなく埠頭の下に捨てた。シアトル海の下には酒のビンが山のように積もっている。後になって考古学者などはこれを見てシアトルに関する多くの事実を調べた。当時、人々がどのような酒が好きで、酒をどのように入手・配布したのかを明らかにした。
昨日、ソウル国立民俗博物館が開催した「ごみとリサイクル」国際セミナーで発表された内容だ。米考古学者のジョン・ジャクソン氏は「真実はごみの中にある」とした。例えば、大都市のホームレスに関する情報もごみから得られる。ホームレスは、彼らが直面した問題を公務員らに打ち明けることを敬遠している。一方、彼らが残したごみを見ると居住・健康状態、飲酒・麻薬服用について分かることができる。ミシガン州立大学の研究者は米国とメキシコの国境砂漠に捨てられたごみを調査して不法滞留者などの移動経路も把握した。
ごみは考古学者にとって宝物箱のようなものだ。20世紀後半から「ごみ考古学」が注目されている。個人・家庭・地域・国家をめぐる数多くの話を聞かせてくれるためだ。一方、大量生産・大量消費の社会でごみは大きな悩み事だ。フランス、欧州地中海文明博物館が3月から特別展「ごみの人生、廃棄物の経済」を開いている背景だ。地球の深刻な生態危機を考えてみる。