【中央時評】文在寅大統領の成功条件(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.12 11:16
一昨日に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最初の48時間は、韓国の民主主義30年歴史と成就を圧縮的に追いつく時間だった。1987年、民主化以降、市民は過去の遺産である帝王的大統領を解消し、市民と共に呼吸し疎通する政府を定着させるために奮闘してきた。文在寅大統領は、簡素で隔意のない就任式、放送カメラの前に直接出て首相指名者と秘書室長を発表する(あまりにも当然な)新しい形を通じて市民らと目線を合わせている。
前任大統領が砂レンガで積み上げた権威的ピラミッドのあの高いところに立って一方的指示で一貫したとすれば、文在寅大統領のリーダーシップはまるで低いところを探してゆうゆうと流れていく水のように市民との疎通、脱権威政治を目指している。(中国の老子は、最も立派なのは低いところに向かって流れる水であり、その水こそ道に最も近いと述べた。『道徳経』8章)
新政府の成功を望む多くの市民のように、筆者も文在寅政府の成功と共に大韓民国が複合転換の渓谷を渡ることを切に願っている。だが、文在寅大統領一個人の潔い気勢や仕えるリーダーシップだけでは、スマートIT経済への転換の渓谷、米中G2時代に韓半島(朝鮮半島)の平和の追求、次第に深刻化しつつある社会経済的格差の渓谷を渡ることができるわけではない。