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【コラム】米国産自動車の成長を導いた韓米FTA

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.11 17:04
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年初に米国自動車産業の心臓部であるデトロイトで開かれたモーターショーの主人公は発表された多彩な新車ではなく、ドナルド・トランプ米国新任大統領だった。フォルクスワーゲンを含めた各国のグローバルブランドは特定モデルが「メードインアメリカ」であることを強調し、有数の自動車メーカーが次々と米国内への投資計画を発表してトランプ大統領の強力な政策に足並みを揃えていた。

米国優先主義に立ったリショアリング(reshoring、生産拠点を再び自国へ移し戻すこと)で代表される「トランプノミクス」には依然として多くの疑問点が残るものの、トランプ大統領の強硬な態度は多くのグローバル企業から米国内投資計画の発表を引き出した。

 
このようにトランプは「ビジネスフレンドリー政策を通した積極的な投資誘致で米国製造業の再復興を実現し、雇用を創り出す」という基本的なフレームを基に段階的な実行に突入した。

実際、トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)離脱の行政命令に署名し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を公式に宣言した。また、就任前からさまざまな国と締結した自由貿易協定(FTA)の再交渉を示唆し、韓米FTAの終了もありうると凄みをきかせている状態だ。韓米FTAも再交渉手続きへの突入が避けられないものと見られる。

産業構造上、製造業の比重が30%程度と比較的依存度が高い韓国で、対米輸出の占める割合を考慮すると、韓米FTAがもたらした純粋機能に及ぼす影響をめぐり懸念の声が高い。

2012年3月に発効した韓米FTAにより、韓国は米国産自動車に課された関税を従来の8%から発効後即時4%に引き下げ、2016年1月1日からは輸入関税が全面撤廃された。その結果、韓米FTA施行前の2011年に計1万3669台だった米国産自動車の輸入台数は、昨年6万99台を記録して4.3倍規模の爆発的な成長を遂げた。ドイツと日本ブランドの成長停滞とは対照的な実績を出したのだ。

米国自動車ビッグ3を代表するゼネラルモーターズ(GM)、フォード、フィアットクライスラー(FCA)は競争力を備えた新車とFTA効果をてこに、韓国内市場を攻撃的に攻略しながらブランドの成長を導いた。このような勢いが続くなら、輸入車市場で現在8%水準の米国産自動車のシェアが10%台に乗ることはもちろん、15%前後を記録している日本ブランドを追い越すのも時間の問題だ。

多くの専門家たちはFTAが、今でも韓国だけではなく米国にも十分に利益をもたらしていると分析している。多様なブランドを擁する米国産自動車の海外輸出を考慮すれば、今後も維持されるものと考えて経過を鋭意注視している。

現在までのトランプ政府の基調では方向性を予測するのは容易でない。しかし、徹底した分析と準備を通じて両国の自動車産業が共にウィンウィン(win-win)となる案を悩まなければならないだろう。

キム・ヨンシク/GMコリア・キャデラック総括社長

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