【コラム】金正恩委員長の最後のパノラマ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.28 16:25
「元山(ウォンサン)葛麻(カルマ)半島10時」。北朝鮮が最高指導者の動静に時間まで露出したのは異例だ。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が視察した25日の軍創建85周年打撃訓練を扱った翌日の労働新聞の記事でだ。自分を狙った「斬首作戦」にまで言及されている緊張局面でも後ずさりしないというメッセージだ。平壌(ピョンヤン)の宣伝メディアは2003年5月のイラクのフセイン政権没落後から、金正日(キム・ジョンイル)総書記の動静報道から日時を抜いた。「10時」という活字の再臨は恐怖を感じた父とは違うという示威だ。
差別化のポイントはほかにもある。3列に並ぶ300門余りの大口径自走砲と兵力を眺める金正恩委員長の人民服の胸には金日成(キム・イルソン)主席の「肖像徽章」(バッジ)がなかった。世襲王朝「朝鮮民主主義人民共和国」の創業者である祖父の後光はもう必要ないという考えと読み取ることができる。米国と国際社会に向けた嘲弄コードもあった。金正恩委員長が乗った閲兵車はメルセデスベンツの最新型オープンカーだった。対北朝鮮制裁に穴があるというシグナルだ。