韓経:【社説】「最低賃金1万ウォン」掲げる韓国大統領選候補の無知
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.30 15:17
明日から始まる来年度最低賃金の審議が大統領選期間と重なって多いに難航が予想されるという報道があった。2000年以降、年平均8.7%も引き上げられてきた最低賃金を大統領候補が2桁以上に引き上げると約束しているためだ。李在明(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長、正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)候補、正義の党の沈相ジョン(シム・サンジョン)代表などは2020年までに最低賃金を時給1万ウォンに引き上げると掲げ、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表も1万ウォンになるまで引き上げを加速化する必要があると主張している。今年6470ウォン(約643円)である最低賃金を1万ウォンに引き上げるためには、3年間平均15%以上ずつ引き上げなければならない。
「最低賃金が1万ウォンはしないと」という同情交じりの話は誰にでもできる。しかし、国家を総体的に率いていく大統領候補が口にする話ではない。最低賃金を引き上げれば、その恩恵が脆弱層に回ると思うこと自体が誤解で無知だといえるからだ。最低賃金を引き上げれば、脆弱層でなく中流層を含めた既存の労働者にもっと利益になる。ソウル大学のイ・ジョンミン教授の研究によると、最低賃金の影響圏にある労働者の中で所得が最も少ない「1分位(下位20%)世帯」に分布している労働者は8%に過ぎない。中流層である4~7分位に44%が集まっている。