最近の韓国映画・ドラマのトレンドは? 悪に立ち向かう「正義」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.29 15:25
「正義? この国にまだそんなものが残っているというのか」。映画『インサイダーズ/内部者たち』に登場したチンピラのアン・サング(イ・ビョンホン扮)は正義を叫ぶ検査ウ・ジャンフン(チョ・スンウ扮)にこう吐き捨てる。代わりに答えるなら「少なくとも大衆文化には残っている」。「正義」は映画やドラマなど韓国大衆文化に必ずと言っていいほど登場し、ヒットを約束する核心キーワードになった。「正義の商品化」「正義商業主義」などという言葉まで生まれている。
21日、視聴率28.3%(ニールセンコリア、全国基準)で放映が終了したSBS(ソウル放送)のドラマ『被告人』は、絶対悪人の財閥二世に立ち向かう、寃罪を着せられた検事の復しゅう劇を描いて高い視聴率を記録した。後続作として27日からスタートした『耳打ち』も警察が法匪(法盗賊)を懲らしめる内容を描いている。義賊ホン・ギルドンの物語を描いたMBC(文化放送)の『逆賊:民を盗んだ盗賊』、女性ヒロインが悪者を懲らしめるJTBC『力の強い女ト・ボンスン』も安定した視聴率をマークしている。弱者のために孤軍奮闘する弁護士の活躍を描いた『町の弁護士チョ・ドゥルホ2』も最近、撮影に入った。
映画も同じだ。『インサイダーズ/内部者たち』(707万人)、『マスター』(714万)、『ザ・キング』(531万)など、腐敗権力に立ち向かうヒット作が相次いでいる。公権力の犠牲になり、犯人に仕立て上げられてしまった背景を暴いていくフィクション映画『再審』(241万)に続き、刑務所の中の巨大悪を描いた『プリズン』や寃罪をこうむった警察官を描いた『普通の人』も最近公開された。さらに下半期には、現代史を扱った映画が「社会派ジャンル」に加勢する予定だ。「不道徳な既得権=悪」を懲らしめて正義を守り、社会的な怒りを発散する「社会派映画」の熱気に、楽しんで見ることのできるロマンスやコメディのようなジャンルは見る影もない。