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【取材日記】韓国学生の中国行きを阻んだ中国政府

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.16 09:23
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今学期に中国へ修学旅行に行く予定だった忠清南道(チュンチョンナムド)地域20校の小中高のうち14校が計画を中止した。論山(ノンサン)にある12校の高校は行き先を中国上海から日本大阪に変更した<中央日報3月15日付「中国への修学旅行を相次ぎキャンセル 日本に振り替えも=韓国」記事>。大邱(テグ)地域の相当数の高校も中国旅行を断念した。

韓国の学生たちの中国行き取り止め事態は、事実上、中国政府が自らまねいた側面が強い。中国は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の韓半島(朝鮮半島)配備を口実に、今月2日に韓国旅行禁止措置など不当な圧力を加えている。

 
中国政府は「消費者の日」である15日から本格的な韓国旅行禁止措置に入った。民間企業まで乗り出して韓国を圧迫している。14日、韓国のオンラインコミュニティには中国のあるホテルの入口の様子を撮影したという説明とともに写真2枚が掲載された。写真には、中国語で「韓国の奴らを踏み殺そう」という背筋が寒くなるような言葉が記されていた。

このように身辺の安全が脅かされているところに、あえて中国へ行くという学生たちがいるかどうか疑問だ。論山の江景(カンギョン)高等学校2年生のコ・ウンソさんは「中国に行ったら何をされるか分からず怖い。経済大国という言葉はふさわしくなく、中国の行動が偏狭で大人げない」と話した。

中国の無理な報復措置によって中国人自身が被害を受ける逆効果も発生している。訪韓遊客(中国人観光客)が減って済州道(チェジュド)で活動する中国人ガイド2400人余りが、事実上、働き口を失った。中国に進出したロッテマート55カ所が営業停止処分を受けると、少なくとも5000人余りの中国人職員が雇用不安を心配する羽目になった。

中国の報復措置は安保・政治イシューを経済問題に引き込んだという点でも批判を受けている。韓南(ハンナム)大中国経済通商学科のチョン・サンウン教授は「中国の措置はグローバルスタンダードから遠くかけ離れている」と指摘した。

中国は日本にも類似の観光報復を加えたことがある。2012年、日本が尖閣諸島(中国名・釣魚島)を国有化すると、中国人の日本観光を中断させた。だが、尖閣葛藤が完全に解消されていなかった2014年、日本を訪れる中国人観光客は前年比83.3%増加した。昨年は2012年に比べて5倍増加した。反面、観光報復以降、中国脅威論が浮上したため中国を訪れる日本人の数はほとんど増えていない。

韓国でも似た状況が起きる可能性がある。全世界が熱狂している韓流文化を体験するために中国人観光客は韓国を訪れいと思っている。反面、韓国で中国は不安だというイメージが固定化してしまえば、中国を訪問する韓国人はますます減っていく可能性がある。中国の「うさ晴らし性」の報復措置は、長く見れば中国自身にとって害になるだけだ。

キム・バンヒョン/ナショナル部記者

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