【コラム】金正男氏暗殺で大きな代価を払う北朝鮮(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.07 15:00
金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺事件は言うまでもなく、国際的に大きな関心を集めた。B級映画でありそうな事件だが、外交的波紋は深刻かつ長期的に続くだろう。先月12日、ミサイル発射実験、トランプ政府と中国との厳しい関係が重なった今回の悪材料で北朝鮮の立場はより不安になっている。
北朝鮮の暗殺組が金正男氏に猛毒の神経剤「VX」を使ったのは、おそらく実行上の理由だっただろう。彼らがマレーシアで、そして空港で潜入するためにはスキャナに認識されない兵器が必要だった。そのため、銃や刃物は排除される。ばれないように迅速に実行する必要がある暗殺組に最小量だけでも効果的なVXは、良い選択肢だっただろう。しかし、VXを使うのは相当な政治的費用が伴われる。VXの破壊力は物すごい。北朝鮮を含めた少数を除いた多くの国家は1997年、化学兵器の使用はもちろん保有を禁じる化学兵器禁止条約(CWC)を批准した。そのため、戦場ですら使いにくいVXを人々で混み合う空港で使うというのは、広い範囲での恐怖や非難をもたらす行為だ。
金正男氏を殺害した時期も問題だ。暗殺は北朝鮮が固体燃料を使ったミサイルの発射で国際社会を挑発した翌日に行われた。このような相次いだ挑発は、累積効果を高めて北朝鮮が直面してきた反応よりもっと厳しい反応をもたらしかねない。