【噴水台】悲しい「言い訳」共和国、大韓民国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.27 09:03
ミレニアムを前に世界が揺れていた1999年12月31日、ロシアには静寂が漂っていた。ボリス・エリツィン大統領が「健康問題と後進の育成を理由に辞任する」と発表したのだ。エリツィンの没落は予想されていた。ロシア共和国最初の直選大統領として一時は英雄としてあがめられていたが、各種腐敗疑惑や不法行為に加えてアルコール中毒説まで重なり、国民の信頼度は6%台へと急降下していた。すると「健康上の理由」を言い訳に辞任し、身辺の保証を確保しようとしたのだ。後継者はウラジーミル・プーチン首相。結果的にエリツィンの言い訳は絶妙の一手となった。
程度には違いはありこそすれ、人間は皆、「言い訳」の生き物だ。日常における善意の言い訳は、時として人生の潤滑油になったりもする。反面、権力家の悪意的な言い訳は国家と個人の運命をどん底に突き落とす。心理学ブリジット・ロジャー(Brigitte Roser)は『Das ende der ansreden(言い訳の心理学)』で「人々は真実をわい曲しようとする時、意識的に言い訳を並べる」とした。向かってくる責任・非難・罰を免れようと言い訳で無罪を立証しようとするということだ。言い訳は嘘の一形態だが、言い訳が言い訳を生めば大きな禍になるという説明だ。