【時視各角】「4月経済危機説」がありがたい=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.16 11:04
また危機説だ。今度は4月だ。さまざまな理由がついている。韓米自由貿易協定(FTA)再交渉が始まる。THAAD(高高度ミサイル防衛)配備にともなう国論二分化、韓中葛藤が本格化する。大宇造船海洋が破産危機に陥る。このような悪材料がすべて「4月危機説」に溶け込んだ。ここに「10年周期危機説」まで加わった。1997年の通貨危機、2008年世界金融危機…、危機は10年ごとに繰り返されているが、2017年のことしはトランプ発経済危機の番だというのだ。ここまでは金融市場ウォッチャーの立ち話レベルだ。
危機説の根拠としてそれなりに納得できるのは次の2種類だ。一つはドナルド・トランプ大統領が4月に中国を為替操作国に指定するというものだ。これは人民元の急落→韓国ウォンに直撃弾→中国および韓国からドル脱出→貿易と金融市場、韓国経済の二本の軸の崩壊につながる、というシナリオだ。これが深刻な場合、韓国証券市場は半分に縮小するおそれがある。実現の可能性は半々だ。トランプは「市場の予想よりも早いうちに中国を圧迫する措置を取る」と大声を上げた。だが、これをこのまま信じることはできない。「二つの中国」カードで中国を圧迫したトランプだが、一月余りで「一つの中国」に退いた。「為替操作国」カードは核兵器級だ。いくらトランプといえども、中国に対してこのカードを切るのは容易ではない。