【噴水台】トランプの万里の長城
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.31 13:16
1958年、トルコのコンヤ近くで人類初の都市遺跡「チャタル・ヒュユク」が発見された。紀元前6500年ごろ6000人ほどの初期農耕民が集まって住んだものと推定される。特異なのは家の構造だ。四方の壁に窓や扉はなく、屋根にだけ換気口を兼ねた出入口が開けられている。「私のもの」と「君のもの」を区分し防御するのに有利な構造だ。
こうした壁の役割は文明が発展して村と都市に拡張された。アテネは港を保護するために城壁を積み、ローマ帝国はスコットランドの蛮族の侵入を防ごうとハドリアヌスの長城を作った。だがどれも万里の長城には及ばない。北方遊牧民族の侵入を恐れた中国王朝が作った壁の総延長は2万キロメートルを超える。紀元前3世紀に秦の始皇帝が過去の趙、燕、秦の長城を連結して初めて建設した、6世紀に北斉、17世紀に明が補強と拡張を繰り返した。長城が通る場所は農耕北方限界線である年間降水量400ミリの線と概ね一致する。
現代史で最も長い壁は冷戦時代の「反ファシズム防御壁」(鉄のカーテン)だ。50年代からソ連の主導で西欧との国境地帯7650キロメートルに沿って建設された。第2次世界大戦終戦から5年で1500万人以上が大量に西欧に脱出したことから、これを防ぐために建てられた。韓半島(朝鮮半島)の休戦ラインのように有刺鉄線で作った二重の鉄条網を立てて無人地帯を置いた。ベルリンのような都市地域にはコンクリートの壁を建設した。