【社説】トランプ氏の反移民政策、反人権的だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.31 08:55
ドナルド・トランプ米国大統領が今月25日、メキシコ国境に壁を建設するという大統領令に続き、27日にはシリア・イラク・イラン・リビア・イエメン・スーダン・ソマリアなど中東・アフリカの7つのムスリム国家の国民に対し、90日間のビザ発行および入国を禁止する大統領令に署名した。このような反移民政策は、特定国家の国民全体に「不法移民者」または「潜在的なテロ危険者」の張り紙をしたのと同じことであり、侮辱的かつ差別的な措置だ。このように、人を出身国家や宗教・信念によって差別するのは反人権的措置と非難されて当然だ。米国人が宗教の自由を勝ち取り新大陸に移住した建国先祖の末裔であることを忘れた反歴史的行動でもある。
反移民政策は、グローバルテロの原因である極端主義をますます図に乗らせ、「テロとの戦争」に足を引っ張られて自ら不利な状況に陥ってしまうおそれがある。よほどでなければ、共和党の重鎮であるジョン・マケイン、リンジー・グラハム上院議員が「今回の大統領令は米国安保を改善するというよりもテロリストの募集を助長しかねない」という非難声明まで出しただろうか。実際、2015年1月のシャルリー・エブド襲撃事件、2015年11月パリ同時多発テロ事件、2016年7月ニーステロ事件など最近のグローバルテロはフランス・ベルギーなど欧州国家の国籍者である移民2世が主導した。トランプが入国を禁止した国家の国民はむしろテロ被害者と見ることができる。テロを根絶しようとするなら、彼らの入国を防ぐのではなく、あたたかい手を差し伸べることが必要だ。