韓経:【コラム】高い自殺率は地獄の証拠?=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.17 11:10
ヘル朝鮮論は講壇左翼と未熟な言論によって拡大再生産される。集団うつ病ということもできる。貧困をテーマに文を書いたある富裕層の子どもが題名を「本当に貧しいわが家」にしたという。「わが家は本当に貧しい。家政婦も貧しく、運転手も貧しく、庭園師も貧しい」と書いたという話だ。ヘル朝鮮で騒ぐ講壇左派とその証拠を探しまわる記者がまさにそうだ。彼らは必死に地獄の証拠を見つけ出そうとし、失敗すれば何とかして作り出す。自殺率1位という最も容易に引用される統計からしてそうだ。韓国の自殺率は10万人あたり28.5人と、OECDで最も高い。(2013年基準)年間1万5000人が自殺している。かつては32人まで増え、少しずつ減っているところだ。韓国に次いでハンガリーが20人で2位、日本、スロベニア、ベルギー、エストニア、フィンランド、そして驚くことにフランスが少しの差で上位圏に続く。OECDの平均は12人であり、少しずつ減っている。
しかし自殺率が高いということをヘル朝鮮の証拠にすることはできない。OECD加盟国のうち自殺率が最も低い国はトルコだ。10万人あたり3人と、韓国のほぼ10分の1にすぎない。次いでギリシャ、メキシコ、イタリア、イスラエル、スペイン、英国、ポルトガルの順だ。安楽死の国のオランダとドイツが11人台と低いが、福祉天国のスウェーデンもOECD平均より自殺率が高い。米国とほぼ同じだ。自殺を「社会的自殺」とみたデュルケームが最初の社会調査を通じて明らかにした一連の規則は今でも適用される。経済が脆弱な南欧カトリック国で観察される低い自殺率は今でも時流に関係なくほぼ一定だ。欧州では北側の新教(プロテスタント)国に上がるほど自殺率も高まる。経済的な理由の自殺、すなわち「新自由主義自殺」は虚構の理論だ。人間が作った最も完ぺきな都市という豪州キャンベラが最高の自殺都市だったというのも同じだ。激しい競争も緊張もストレスもないため、倦怠とともに深いうつ病に襲われる。人間とはそのような存在だ。