【コラム】こんなことをしようと文化隆盛をしたのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.25 17:16
「ようやく先進国に暮らすことになったのか」。tvNの「SNLコリア」が登場した時、そのような気分になった。たかが芸能番組一つにたいそうな意味付けをすると思うかもしれないが、「こういう発言をすれば捕まる」と自己検閲に慣れているこの国の小市民には新鮮な衝撃だった。汝矣島(ヨイド)テレトビーからベビーシッター面接コーナーまで。大統領候補の描写は表面的な社会批判にとどまらなかった。具体的には何も言えない「パク・グネ(朴槿恵)」、良いことばかり言って様子を見る「アン・チョッソ(安哲秀)」、アン・チョッソの助けなしには生き残れない「ムン・ジェニ(文在寅)」まで。核心的な弱点をつくコメディに「ここまでして大丈夫なのだろうか」と思いながらも痛快だった。
「朴槿恵(パク・クネ)候補役の出演者が特に暴言と暴力が激しい」というセヌリ党の問題提起に対して放送通信審議委員会が「問題ない」としたのも、検閲時代に別れを告げたという幻想を与えるのに十分だった。そのためだろうか。社会風刺が消えたのは政治がつまらない時期であるためだと考えた。とはいえ文化強国なのに。「大統領のおならをするスタイル」というコントをして安全企画部に連れていかれたコメディアンのキム・ヒョンゴンさんが生きた時代は我々には過ぎ去った近・現代史だった。当時、安全企画部調査官がした「大統領がおならをするのを実際に見たのか」という追及はもう剥製になったものと思っていた。