10月の対米輸出10%減少、5カ月連続下り坂=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.16 10:20
「トランプ発」の保護貿易主義の波が押し寄せる前に米国への輸出はすでに冷え込んでいる。産業通商資源部が15日に明らかにしたところによると、先月の対米輸出額は53億9000万ドルで前年同月より10.3%減少した。対米輸出は6月から5カ月連続で減少している。1~10月の累積対米輸出額は前年比5.9%減った。昨年の0.6%より減少幅が大きい。
韓国代表企業のサムスン電子と現代(ヒョンデ)自動車が揺らぎ対米輸出不振が深刻化した。ギャラクシーノート7の生産中断と自動車メーカーのストなどの余波で先月米国への無線通信機器輸出は前年同月比40.0%、自動車輸出は25.7%急減した。成均館(ソンギュングァン)大学グローバル経営学科のパク・ミョンソプ教授は「韓国代表企業のイメージが悪化した上に、韓進(ハンジン)海運の法定管理入りにともなう物流への影響など韓国の内部要因により重要市場である米国への輸出競争力が弱まった」と診断した。対米輸出は韓国の輸出の約13%を占める。中国に次いで2番目に割合が大きい。
今後の対米輸出戦線にも濃厚な暗雲が立ち込めている。保護貿易主義を掲げた新しい米国政府が関税を高めるなど輸入規制を強化する可能性が大きいためだ。特に韓米自由貿易協定(FTA)の全面見直しを主張してきたドナルド・トランプ次期大統領がこれを実行に移す場合、打撃はさらに大きくなる恐れがある。韓国経済研究院は韓米FTA全面再協議が現実化する場合、2017~2021年の5年間に合計269億ドルの輸出損失が発生すると推算した。