韓経:【社説】トランプ氏の勝利がショック? 我々しだいだ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.10 11:34
すべての予想が覆された。米大統領選挙でドナルド・トランプ共和党候補の勝利を予想する人はほとんどいなかった。米国主流メディアはともにヒラリー・クリントン民主党候補に傾いた報道で一貫していた。前日までウォール街はクリントン氏の勝利にベッティングしていた。しかし「異端児」トランプ氏は逆転劇を見せた。選挙人団538人のうち過半を確保した。1年前に支持率1%でスタートし、共和党予備選でライバル16人を次々と退け、最後にはクリントン氏にまで勝利した。ブッシュ家、クリントン家など政治貴族を抑えたアウトサイダーの勝利だった。もう「トランプ時代」が開かれた。
トランプ氏の大反転に米国はもちろん世界が当惑している。アジア株式市場が焦土化した。その間、米国の親民主党主流メディアだけを見ていれば当然だろう。100大新聞のうち半分は公開的にクリントン氏支持を宣言したほどだ。しかしトランプ氏はいわゆる「東部メディア」が作った虚像を崩した。トランプ氏が話すようにメディアは事実(fact)よりも見たいものばかり報道した。トランプ氏に「狂人、暴言王、馬鹿」イメージをかぶせようとしただけで、米国の多数の白人中産・庶民層の情緒は読み取っていなかった。庶民層の怒りに呼応した「トランプ現象」をメディアは見ることができなかった。いや、敢えて見ようとしなかった。そのような偏った視点に一緒に踊ったのが韓国メディアだ。米国より韓国でより大きな「狂ったトランプ」を作った。ブレグジットに続いてまたも超大型誤報を流した格好だ。
第45代大統領のトランプ氏が率いる米国は大々的な変化を予告している。トランプ氏の選挙スローガンは「米国をまた偉大に」だ。韓米FTA再協議をはじめ、保護貿易を公言し、韓国、日本、ドイツなど同盟国には米軍駐留費用を請求するという。中国に関税報復、メキシコには巨大障壁で対応するとも述べた。全く違う米国だ。そのトランプ氏を「孤立主義」と規定するのは短見にすぎない。徹底的に米国の国益に基づいて行動する民族主義で見るべきだ。世界警察、基軸通貨国としての役割も、原油安とシェールオイル輸出を契機に大きな変化が伴う見込みだ。