【社説】涙ぐんだが権力への未練は捨てなかった朴大統領の談話
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.05 13:46
昨日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の談話は虚脱感と憤怒、不安に包まれた国民の心をなだめることはできなかった。談話が始まる時までは期待があった。崔順実(チェ・スンシル)という巫女風の女性が青瓦台(チョンワデ、大統領府)、政府、大企業などを自宅の居間のように行き来し、権力と蓄財を満喫した希代の国政壟断事件をどう説明するのだろうかと。また、青瓦台と政府はまひ状態であり、国会からは大統領の後退要求が出ていて、広場では下野の声が乱舞している中、その原因の提供者である朴大統領がどんな解決法を出すかが関心事だったからだ。
しかし大統領の談話は検察の捜査を意識した防御的な内容ばかりが続いた。崔順実については「一人で暮らしながら個人の件で助けてもらい、それで往来することになった」「私が自ら警戒の壁を低めて厳格でなかった」という程度がすべてだった。具体的な事案については検察の捜査にガイドラインを与えることができるとし、別には話さないと言った。詳しい説明ができない理由をそれらしく包装したが、検察の捜査と直接関係がない問題までまとめて口を閉ざした。その代わり朴大統領は「私がカルト宗教にはまったとか、青瓦台で祈りの儀式したという話は決して事実でない」など自分の弁護に必要な話は誠実にした。こうした自己中心的な談話は国民の感動どころか失望と虚脱感を招くだけだ。当初から記者会見でなく一方的な談話形式をとった点から国民の目線を考慮しないものだった。