【噴水台】大統領がいない国=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.02 13:21
父と手をつないで行った町の銭湯、おじさんたちが裸でラジオの前に集まっていた。「朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領が亡くなった」。硬い表情の父が短く語った。涙がにじんだ。「北の軍が攻め込んできて国が滅びるのでは」と思った。誠実に国民教育を受けた小学6年生にとって、大統領がいないところに暮らすというのは衝撃と恐怖だった。1979年10月27日の早朝のことだった。幸い、戦争は起きなかった。
2004年3月12日、国会の弾劾案可決で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が一般人になった。また大統領がいない国に暮らすことになったが、驚きはなかった。無事だった過去の経験のおかげだ。憲法裁判所の弾劾審判棄却で盧大統領が戻ってくるまでの63日間も国に大きな事件はなかった。首相が大統領に代わった当時「むしろ国はうまくいっている」という話もあった。