朴大統領、今度は「脱北民受け入れ体系を整えるべき」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.12 16:54
1日の「国軍の日」記念演説で北朝鮮住民に向け「いつでも大韓民国の自由な地に来てほしい」という発言をした朴槿恵(パク・クネ)大統領が11日、また脱北者に言及した。
朴大統領はこの日の国務会議で「脱北民は先に訪れた統一であり統一の試験場」と述べた。また「この人たちが我々の社会に無事に定着することは、その個人と家族の幸せを実現するという意味とともに、暴政に苦しむ多くの北の住民に大きな希望を与えることができるという点で非常に重要だ」と強調した。
続いて「関係部処は緊密に協業し、脱北民の定着のための制度を再点検し、自由と人権を求めてきた北の住民を十分に受け入れることができる体系と力量を早期に整えてほしい」と注文した。国軍の日の演説が「脱北勧誘」レベルだったなら、朴大統領のこの日の発言はさらに一歩進んで、大量脱北事態が生じる可能性に備えて脱北民を受け入れるための具体的な対策を指示するものだった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の関係者は「金正恩政権に核兵器を放棄させるために、国際社会の対北制裁のような外部の圧力だけでなく、北の内部の圧力も最大化するという意味」と説明した。
朴大統領は「脱北パターン」が変化しているという中央日報の報道(10月6日付1面)にも言及した。朴大統領は「最近、一般住民はもちろん幹部層の脱北も増えている」とし「北には未来がないという絶望感から北を脱出したり、子どもの将来のために、または子どもが自らの未来と希望を求めて脱北するなど、脱北の動機と類型も多様化している」と述べた。
「国軍の日の演説は北への宣戦布告だ」と述べた朴智元(パク・ジウォン)国民の党非常対策委員長の主張にも反論した。朴大統領は「最近一部の人が、政府が北の挑発を誘導しているとか宣戦布告を云々するのは、北の核問題を解決していくうえで全く役に立たず、事実とも異なる歪曲」と語った。「そのようなことが内部で積もれば、北核問題の解決に向けて我々を助けようとする国際協力を難しくするだけだ」とも指摘した。
一方、KBS(韓国放送公社)はロシア・サンクトペテルブルクの建設現場で働く10人近い北朝鮮労働者が8月、韓国総領事館に電話で韓国への亡命意思を明らかにした、と報じた。この労働者らは現在、国際人権機構を通じて安全地帯に移動した後、韓国行きの手続きを踏んでいるという。海外現場の北朝鮮労働者がブローカーを通さず自発的に集団で亡命を図るのは初めてだ。