【コラム】オバマ大統領をなだめてプーチン大統領を引き込んだ安倍首相の度胸(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.12 13:27
日本が自らも制裁中であるロシアの孤立を解くという矛盾した外交行為が、どうすれば可能になるのだろうか。国益を守るための大胆な勝負のためだ。日本はロシアがクリミア半島を合併した直後の2014年3月、斎木昭隆外務事務次官を米国に派遣し、トニー・ブリンケン大統領次席補佐官に会わせた。斎木次官はクリミア半島問題では米国と協調するが、日露関係の改善は分離して推進するという意思を伝えた。安倍首相も翌月、オバマ米大統領を相手に「日露関係の進展が北東アジアの安全保障環境にもプラスになるだろう」と説得した。
これは米国・欧州・日本の対ロシア制裁連携を揺るがすものだ。実際、ソ連に接近して中立条約を結んだ後、8カ月後に米国のハワイ真珠湾を空襲したのが75年前の日本ではなかったか。しかし今の米国としては膨張する中国の牽制に率先する日本と離れることはできない。安倍首相の度胸はこうした相手の虚を突く戦略と決起があったからこそ可能だった。
日本とロシアの蜜月は、過去を支配した冷戦の呪術が今日の平和まで監禁できないことを見せている。ロシアの最優先順位パートナーとしてラブコールを受けた韓国も発想の転換が必要だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領のユーラシア・イニシアチブをロシアの新東方政策、中国の一帯一路、日本の大陸連結と結びつけて北極航路を開発すれば、低迷する世界経済に活力を吹き込むことになる。北朝鮮の核挑発がユーラシアネットワークの「断絶区間(missing link)」になっているが、そうであるほど事態の解決に向けた現実的で創意的な国際協調を主導する必要がある。