ロンドンの韓国人観光客(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.09.20 13:05
ロンドンの夏は今年のソウルほど暑くはなかった。だがちょうど気持ち良い暖かい天気のため私は外に座って最も好きな趣味のひとつを存分に楽しんだ。その趣味は韓国人観光客を見物することだ。何十年間彼らを見守ってきた理由は、韓国人観光客の行動スタイルがいつも変わるためだ。私がここで韓国人を初めて見たのは1970年代後半だ。韓国人はまだ珍しかったし、たびたび日本人と誤解を受けたりした。当時日本人観光客はどこでも見られたし、韓国人は日本人と呼ばれることに憤慨したりもした。韓国人観光客は不安で緊張した様子だった。韓国人を乗せたバスを見るのは宇宙探査船の中で旅行する他の惑星から来た存在を見るようだった。彼らは宇宙船の外の見慣れない世界を不安な眼差しで凝視した。
彼らは団体旅行のバスからほとんど降りてこないように感じられた。バスから降りるのは集団の安全さとガイドの保護から離れることを意味し、これは当時多くの韓国人には恐ろしい決定だった。彼らはいつも道に迷うこと、人を理解できないこと、見慣れない社会に不快感を与えることを恐れているように見えた。韓国人を乗せた団体旅行バスが観光地に止まる場合にもドアは開かれておらず、だれも降りなかった。代わりに乗客は窓に鼻を押しつけながら写真を撮った。19世紀に欧州の探検家が同じ村の友達を驚かせるために見慣れないアフリカの工芸品を持ってきたように、当時の韓国人観光客は外国に関することなら何でも写真を撮った。