【コラム】経済はない?=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.20 10:53
秋夕(チュソク、中秋)の祭壇の前に親戚が集まりなごやかに言葉を交わした。久しぶりに会ううれしさに明るい微笑とともに「顔付きが良くなった」「子どもたちが大きくなった」という言葉が行き来した。あいさつ話が終わり世間話へと続くとすぐに顔から微笑が消え始めた。
大企業に通うある親戚は「このところ会社の仕事が減っている。リストラはないだろうか心配になる」と話し始めた。するとまた別の大企業に勤める親戚は「外から見ると会社は大きな問題なくうまくいっているようだが、雰囲気は冷え込んでいるというより凍り付いている」と話した。この会社は核心事業を中心に力を集中しており、役員数が減り続けているところにある事業部が売却されるかもしれないという不安感が大きくなっているといった。話す間しかめた彼の両眉の間は広がらなかった。中小企業に比べて事情は良い方という大企業社員も失業の不安感を全身で感じているようだった。
子どもの話に続くと雰囲気はさらに沈んだ。「○○のところの息子だがね。大学を卒業して3年が過ぎたのに就職できなかった」。他の親戚が口を挟んだ。「私の孫も中小企業に通っていたが今年初めに会社がつぶれたよ。それで同僚と創業したというがまだ稼ぎがほとんどなくて」。大学生の子どもを持つ親戚は「これだけ就職が難しいのにうちの子は今後どうしたらいいのか」と首を振った。結局この日の祭祀はため息で終わった。