【コラム】ピグマリオンとヘル朝鮮
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.25 08:08
感動と歓呼、悔しさ、残念な思いが交錯したリオデジャネイロオリンピック(五輪)が幕を下ろした。24日には大韓民国選手団の本陣も入国した。17日間、地球の反対側で繰り広げられたシナリオのないドラマに、殺人的な熱帯夜もしばらくは忘れることができた。
夜になると入ってくる勝利のニュースを時々刻々と速報で処理しながら、特に目に引いたものが一つあった。それは朴仁妃(パク・インビ)の神がかり的なロングパットでも、孫興民(ソン・フンミン)の涙でもなく、女子テコンドー67キロ級で金メダルを獲得したオ・ヘリがソーシャルネットワークサービス(SNS)のプロフィールに載せた「ピグマリオン(Pygmalion)」という言葉だった。ピグマリオンはギリシャ神話に出てくるキプロスの王であり彫刻家だ。彼は「ガラテア」という名前の女性像を彫刻したが、その美しさにほれて恋に落ちてしまった。ピグマリオンの気持ちを伝え聞いた女神アフロディテは彼の恋に感動し、女性像に生命を吹き込んだ。その後、彼の名前は「切実に望んで期待すればいつか実現する」という自己充足的な予言・暗示の象徴となった。