韓経:大韓民国、国家ブレーンがいない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.22 09:26
国家の長期戦略を考える主体が消えてしまった。低成長や高齢化、輸出減少などの警告音は騒がしく、このままでは未来がないことを分かっているが、誰も長期戦略や目標について話さない。政府も中央銀行も、国策研究機関も民間研究所も同じだ。「苦言」を呈すべき学者も沈黙している。
世界の主要国は未来の生存戦略の用意のために国家的な力を注いでいるが、韓国は別の世界だ。国家改造のための各種の改革課題は関心の外に消えて久しい。構造調整や追加補正予算の編成などの懸案も遅々として進まない。政治的論争に埋没して韓国号がどこへ向かっているのか誰も関心を持たない。
政府は長期戦略を放置しているようだ。息の長い政策を組まなければならない経済官僚は短期的な課題に汲々としている。かつて国家プランを組んだ自負心は影も形もない。政策を発掘するどころか上から落ちてきた課題の遂行も手にあまる。世宗(セジョン)市に移転してからは市場との意思疎通も消えた。「孤独な『島』に閉じ込められて、時が来たら過去のパターンどおりの『たい焼き』政策だけを印刷する単純技術者に転落している」(経済部署の元長官)という先輩官僚たちの憂慮であふれている。