【社説】映画『徳恵翁主』の歪曲議論、韓国史研究の新たな踏み台に(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.08.21 13:12
映画『徳恵翁主』の歴史歪曲議論が熱い。実在の人物を扱った映画で想像力と事実の境界をめぐる舌戦が起きている。3日に公開された『徳恵翁主』は19日現在で累積観客数444万人を記録し好調な興行を継続している。『徳恵翁主』は悲運の皇女、徳恵翁主(1912~89)の切ない人生にスポットを当てた。大韓帝国皇帝高宗(コジョン)と貴人梁氏の間に生まれた翁主(後宮の娘)徳恵の悲劇的な生涯と日帝強占期の朝鮮の民草の厳しい日常を重ね、この100年に韓国が歩んできた道を振り返らせる。植民地治下の朝鮮皇族への侮辱に涙が流れる。20世紀の韓国史のあまりに大きな苦痛だ。
『徳恵翁主』は時期的にあつらえ向きだ。光復(解放)71年を迎えた8月15日に合わせやってきた。国権喪失の痛みと回復の喜びを喚起させる。これまで特別な注目を浴びることができなかった、歴史から忘れられた人物を現在に改めて呼び出した点も拍手を受けるに値する。韓国現代史の空白地帯を埋めたわけだ。一般観客の反応はそうした時代的・文化的な渇きを見せる。