【社説】米国の韓国製品叩き、危険水位だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.07.26 09:14
米国が韓国製品に相次いで反ダンピング関税を課している。米商務省は22日に韓国製冷延鋼板に38~65%の高率の反ダンピング・相殺関税を適用することにした。これに先立ち米貿易委員会(ITC)は21日に韓国製鉄鋼製品に最大で48%の反ダンピング関税を課した。20日には中国で生産して米国に輸出したサムスンとLGの洗濯機にも50~111%の反ダンピング予備関税を課した。韓国の直接輸出だけでなく中国を通した迂回輸出まで遮断する全方向の関税障壁を広げているものだ。
大きく見れば米国の韓国叩きは米中通商戦争の前哨戦の性格が濃厚だ。韓国製洗濯機の対米輸出は昨年5400万ドルとわずか。それでも韓国製洗濯機に食いつくのは中国製洗濯機との本格戦争に先立ち韓国製にまず手を付けるという意図とみるべきだ。韓国製鉄鋼にかけられた関税も中国製に米国が過去最大となる451~522%の関税を適用したことを正当化しようとする意図が背景にあるとの分析が多い。
問題は米中の争いに韓国だけ疲弊することになったという点だ。米国の通商圧力はますます強まる見通しだ。大統領選挙レースを控え共和党のドナルド・トランプ候補だけでなく民主党のヒラリー・クリントン候補まで競争するように保護主義公約を出している。ここに高高度防衛ミサイル(THAAD)問題で中国の経済報復まで心配しなければならない境遇だ。踏んだり蹴ったりだ。