【コラム】うらやましい韓国ドラマ
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.07.20 13:54
『太陽の末裔』『応答せよ1988』などの韓国ドラマのおかげで、ことしの夏休みシーズンに韓国へ観光に出かける中国人観光客(游客)が普段より倍以上伸びる見込みだという。中国における韓国ドラマの人気はうなぎのぼりだ。韓国ウェブトゥーン(ウェブ漫画)やウェブ小説などデジタルコンテンツも中国企業に高値で売れている。
「中国の視聴者はなぜこんなにも韓国ドラマに熱狂するのか」。周りの韓国人の友人が絶えず中国出身の私に聞いてくる。まず、基本的に中国の国内ドラマだけでは中国の視聴者を満足させることができないという事実がある。中国ではドラマを制作する時、国家新聞出版広電総局(広電総局)の審議を必ず受けなければならない。撮影許可を受けて制作した後、さらに放送許可も受けなければならない。また、中国にはドラマ等級制度がない。このような状況下では、広電総局の審議ハードルが徐々に高くならざるをえない。このため制作会社は審議に比較的通りやすい宮廷権力闘争や抗日戦争を扱ったドラマを好んで選ぶ。若い視聴者はこのような千篇一律的なドラマに背を向け、ネットを通じて韓国ドラマをはじめ外国コンテンツを自分で探すようになる。
昨年、広電総局は「一劇両星」という政策を発表した。ゴールデンタイム(午後7~10時)に1本のドラマを2つの衛星チャネルだけで放映する規制だ。以前は1つのドラマを4つの衛星チャネルで同時に流すことことができた。優れたドラマを最大限放映することができるように後押ししようとの趣旨だったが、かえって中国ドラマ業界に重い負担を強いる結果を招いた。このような脈絡では、優れた韓国ドラマが中国の視聴者には「長く続いた日照りの後に降る恵みの雨」となる。